室井佑月「なにもかも信じられない」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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室井佑月「なにもかも信じられない」

連載「しがみつく女」

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室井佑月氏「オリンピックは平和の祭典ともいわれている。が、安倍首相はそれを真逆の意味で利用しようとしている」 (※写真はイメージ)

室井佑月氏「オリンピックは平和の祭典ともいわれている。が、安倍首相はそれを真逆の意味で利用しようとしている」 (※写真はイメージ)

 すると、官邸側は前川氏の人格攻撃をするようになる。天下り問題で引責辞任したから、うらみを持っているなどといいだした。

 そして、読売新聞が前川氏の出会い系バー通いを報じた。

 すでに公人でもない男の、それが法に触れることでもないことが、新聞の社会面の大きな記事となった。狂っているとしか、いいようがないだろう。

 もうなにもかもが信じられない。

 国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・カナタチ氏が共謀罪について、「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と指摘した書簡を安倍首相へ送った。官邸は「特別報告者は国連の立場を反映するものではない。内容は不適切」と抗議した。カナタチさんいわく、「抗議は怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身がない」とのこと。

 しかし、G7に出席した安倍首相は、イタリアで国連のグテーレス事務総長と会談したと一報があった。グテーレス事務総長から、「(カナタチさんの意見は)必ずしも国連の総意を反映するものではない」という言質を取ったという報道だ。でもこれって、この国の外務省によると、という報道なんだよ。

 G7で安倍首相が「事実上の議長」、なんて書いた新聞もあったしな。

 まさか、国際的な問題であっても、安倍さんに忖度したものになってやしないよね?

 そこまで考えると、とても辛くなってくる。

週刊朝日 2017年6月16日号


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室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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