ルペンだったら解決できた? マクロン仏大統領がぶちあたるカベ (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ルペンだったら解決できた? マクロン仏大統領がぶちあたるカベ

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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週刊朝日
フランスのマクロン大統領(右)とブリジット夫人 (c)朝日新聞社

フランスのマクロン大統領(右)とブリジット夫人 (c)朝日新聞社

 通貨ユーロからの離脱は為替操作という強力な景気・失業対策の手段を再び手にすることなのだ。通貨ユーロを使い続ければ、地域固定相場制の継続になる。共通通貨を使うとは、何種類もの通貨を使うが、いつも同じ為替レートで交換できるのと同じだ。

 読者の皆さんがなぜドル預金にちゅうちょするかと考えると、満期時に為替損をこうむるリスクがあるからだろう。固定相場なら為替損はこうむらず、必ずや金利の高い通貨に預金する。言い換えれば、地域固定相場制を採る限り、好景気・不景気にかかわらず、各国の中央銀行は政策金利を同一にしなければならないということ。金融政策の放棄になる。

 為替・金融政策を放棄したユーロ圏の国々は、財政政策に頼らねばならない。理想は一つの国だが、ドイツ人の税金をギリシャ人に無条件で投入できるかというと、首をかしげざるを得ない。ギリシャ危機の際、「怠慢なギリシャ人を助けるために私の税金を投入してほしくない」とドイツ人が発言していた。となると、一つの国どころか、統一的な財政は無理。戦争を経験したヨーロッパが一つの国を理想とするのは尊いが、財政統一が難しければ一つの国は非現実的だ。

 かなえられない理想を追うのが「グローバル主義」で、現実を追いかけるのが「反グローバル主義」なのか。私はそう断じることはできない。

週刊朝日 2017年6月16日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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