被災地で横行? “除染とばし” (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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被災地で横行? “除染とばし”

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除染が行われた被災地

除染が行われた被災地

<除染作業の実施結果のご報告のお知らせ>

 こんな書類が福島県南相馬市小高区のAさん(46)のもとに届いたのは、昨年2月中旬のこと。

 除染が「完了」したことを告げる内容が記され、除染前と除染後の写真が添付されていた。だが、除染作業中を示す看板以外、変わっている様子はない。疑問に感じたAさんが何度かやり取りすると、こう認めた。「除染していませんでした。申し訳ない」

 除染完了という書類を送っているにもかかわらず、除染していなかった「除染とばし」が判明したのだ。

 Aさん宅は、福島第一原発から約20キロ。2011年3月の東日本大震災、原発事故でAさんも避難を余儀なくされた。

 南相馬市は、事故から5年が経過した16年7月に一部の帰還困難区域を除いて避難指示が解除。今春には富岡町や浪江町など、より原発に近い地域まで解除エリアはさらに拡大された。

 Aさんも放射能に汚染された自宅を取り壊し、新築する計画を立てていたという。そこで、念入りに環境省から届いた冒頭の︿除染作業の実施結果のご報告のお知らせ〉を見ていたところ、おかしな点に気付いたという。

「除染しますというとき、一度、立ち会いで行きました。そのときは草を刈ります、表土をはいで砂利も敷きます、そうすれば放射線量は下がりますという話。それが写真を見ると草が刈られた様子がないのです」

 Aさんは振り返る。

 自身も建設関連の仕事をしていることもあり、除染にかかわったこともあったという。まさかとの思いもあったが<お知らせ>がきて3カ月ほどして除染作業を担当したJV(共同企業体)や環境省に連絡したが、返事が来ず、南相馬市役所の除染対策課から連絡をとってもらい、ようやく昨秋、電話がきた。

「実はまったく除染していませんでした、申し訳ないって繰り返すんですよ。あっさり認めたなと思いつつ、やってないのに完了したという書類を送り付ける、許せない気持ちでいっぱいでしたよ」(Aさん)


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