射精しすぎると短命になる? 貝原益軒が示す年代別の「セックス回数」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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射精しすぎると短命になる? 貝原益軒が示す年代別の「セックス回数」

連載「貝原益軒 養生訓」

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「益軒が養生訓のなかで繰り返し語っているのが『色欲(性欲)を慎め』ということです」 (※写真はイメージ)

「益軒が養生訓のなかで繰り返し語っているのが『色欲(性欲)を慎め』ということです」 (※写真はイメージ)

 今日の医学から見て、この回数に根拠を見いだせるかは疑問ですが、勃起力にしても射精力にしても青年期の方が老年期に較べて勝っているのは当然のことで、年齢とともに性交の回数が減っていくのは自然の摂理といえるでしょう。

 それとは別に注意しなければいけないのは、高齢になってからのセックスのリスクです。射精には、精管、陰嚢、前立腺の律動的な収縮が必要で、これをもたらすのは交感神経の作用です。交感神経の作用が高まれば、循環器系への負荷も高まります。つまり、性的興奮を伴った身体の過度な動きは、循環器系に負荷をかけて、心筋梗塞などのリスクを高めることになるのです。

 しかし、セックスに伴う歓喜がこの負荷を帳消しにしてくれるかもしれないとも、私は考えているのです。セックスから遠ざかってしまい、射精する機会がなくなると、前立腺ガンになるリスクが高まるという説もあります。

 老年期のセックスについて考えるときに私が思いうかべるのは、古代ローマの哲学者で政治家キケローの著作『老年について』の一節です。キケローは、老年は決して惨めではないということを説くなかで、「劇場の最前列で見る者は楽しいが、最後列でも楽しめる。青年期は快楽を間近にみて喜びが大きいだろうが、老年でもそれを遠く眺めて十分に楽しいのだ」と語っています。これには益軒の「慎色慾」の教えに通じるものがあります。

週刊朝日  2017年6月9日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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