また、物心ついたときからSNSを日常的に使っていることも大きな特徴。SNSの世界ではどんな人ともフラットにつながることができるので、人間関係を「一対一のフラットな関係」と捉える感覚が強い。今や、ツイッターを介せば、トランプ大統領とも、やりとりできる時代ですよ。だから、上下関係が絶対という考え方に、あまりピンとこない。

 SNSの影響か、頭ごなしに否定されるのも苦手です。SNSは、発信したら「いいね」で受け止められる世界。あまり良くない発信はスルーされるだけなので、私たちは肯定のみを求めて生きているんです。

 ただ、私たちが上の世代に「どうして、わかってくれないの?」と思うのと同じように、上の世代が「なぜわからないんだ?」と思っているのも、わかる。もはや「文化の違い」ですからね。上の世代には、自分たちは日本人だけど、ミレニアル世代はインド人なんだと思ってほしい(笑)。それくらいお互いの「当たり前」が違うんです。だから「自分の時代はこうだったのに」と、過去を理由にお説教されても、理解できない。そういう人のことは、女子会で「なのにおじさん・おばさん」って呼んでます(笑)。

 でも、上の世代がミレニアル世代にネガティブな反応をするのって「違い」にびっくりしちゃってるだけだから、お互いの「当たり前」をわかり合うしかない。私は前職で、ミレニアル世代の価値観を文書でまとめて、上司に伝えたこともあります。「仕事をサボりたいんじゃなくて、人生をサボりたくないから、仕事ばかりできないんです」って。上の世代の「当たり前」も、そうやって説明してくれたらうれしい。どちらが正しいわけでもなく、ただ「文化」が違うだけ。だから歩み寄れる部分は歩み寄って、楽しく気持ちよく一緒に働きたいです。

※注)2000年代に成人あるいは社会人になる世代

週刊朝日 2017年6月9日号