丹田は実在する? 外科医が手術で見つけた「気の世界」とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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丹田は実在する? 外科医が手術で見つけた「気の世界」とは?

連載「貝原益軒 養生訓」

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生命のエネルギー、いわゆる生命力を高めることが養生です(※写真はイメージ)

生命のエネルギー、いわゆる生命力を高めることが養生です(※写真はイメージ)

 そして、気を養う方法については、腰を正しく据えて、真気を丹田に集めることだと語ります。胸中ではなく、丹田に集めなければいけないというのです。

「上虚下実(じょうきょかじつ)」といわれるのですが、気功や太極拳などの武術では、いずれも上半身の力を抜いて、下半身に力をみなぎらせて姿勢を整えます。これは、つまり丹田に気を集めるということなのです。

 私は学生時代に空手部に籍を置いていましたので、その頃から丹田は意識していました。外科医になって大腸を手術する際には、臍下三寸の丹田の部分をつぶさに調べました。しかし、そこにあるのはつづら折りになった小腸のみです。

 西洋医学では、解剖して見つからないものについては、関心を示しません。人体解剖で血管は見つかるのですが、経絡は見当たらないのです。ですから、西洋医学では、気の存在を認めません。しかし、私が手術をするたびに気になりだしたのは、臓器と臓器の間にある空間です。身体の中は実は隙間だらけなのです。この空間に着目してみると、生命のエネルギー、気の世界が見えてきました。見えないものにも関心を向ける中国医学は西洋医学にない深さがあります。

 益軒は身分の高い人に対してものを言うとき、忙しいとき、やむを得ず人と論争するときにも、丹田に気を集めるといいと語っています。気を集めるには、丹田を意識して、力をみなぎらせるようにすればいいのです。是非、挑戦してみてください。

週刊朝日 2017年6月2日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

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