放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、「OCEAN TOKYO」プロデュースのヘアスタイリングワックス「オーシャン トリコ ヘアスタイリング」について。
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あの木村拓哉が絶妙のタイミングで美容師役を演じたドラマ「ビューティフルライフ」(TBS系)が拍車をかけた“カリスマ美容師”ブームは15年以上前のこと。
「料理の鉄人」(フジテレビ系)の美容師版、「シザーズリーグ」(同)なんていう番組もあったほどである。
代表的存在だった「みやむー」こと宮村浩気氏が所属していた超有名店「HAIR DIMENSION」と関連会社が倒産したと知ったのはゴールデンウィーク前。件(くだん)の宮村氏をはじめとするカリスマ美容師が続々独立してしまい、顧客が離れたことが原因だという。
「一つの時代が終わった」と感じた方も多かろうが、いままた新たなブームが到来している。「美容界の風雲児」と呼ばれる「OCEAN TOKYO」の代表・高木琢也氏が中心的人物だ。
美容学校の中では新設の部類に入る「早稲田美容専門学校」を卒業後、都内1店舗を経て独立。中村トメ吉氏と共に「OCEAN~」を立ち上げ、わずか4年で4店舗を展開している。
全国から若い男子が集まるのは同店のみならず。高木氏の母校「ワセビ」では、今年度、教室を増床しなければならないほど入学希望者が増え、しかも約8割が男子生徒だと聞く。
その大きな理由の一つが、“デビュー”直後から驚異的な指名率とリピート率を誇っていた高木氏が、2015年3月、「月間個人技術売り上げ1200万円」を達成したから。アメリカンドリームならぬOCEANドリームをゲットするため、髪形やファッションまで真似て面接にやってくる男子もいるそうだ。
「ナカイの窓」(日本テレビ系)をはじめ、度々メディアでも取り上げられる高木氏を筆頭に、高い技術力やセンスの良さで大評判の「OCEAN~」が物販にも着手。同店プロデュースのヘアスタイリングワックス「オーシャン トリコ ヘアスタイリング」が売れに売れているのである。
スタイルに合わせた全5種類のワックスは、テクスチャーがそれぞれ異なり、最適なヘアスタイルがボトルに明記されているので、「ワックス初心者でも、わかりやすく使いやすい」「伸びがいいので、時間をかけてセットしやすい」と評判で、同品を扱う全国の「LOFT」では、男性店員が前のめりで推奨している様子が度々見られている。
もちろん「OCEAN~」各店舗でも買うことができる。高木氏らスタッフは「髪が変われば、人生が変わる」が口癖。
ワセビで勉強する後輩も、サロンの顧客も、「~トリコ」のユーザーも、「変化」を期待している。
※週刊朝日 2017年6月2日号