800万円支給の大学、返済支援する企業…知っておくべき奨学金活用術

 来春入試に向け、志望校選びとともにチェックしたいのが奨学金の情報だ。返済が必要な貸与型はよく知られているが、最近は返済が不要な給付型も増えている。大学、自治体、企業や財団など、さまざまな団体の制度を紹介する。

「奨学金をもらえることが励みになった。返済が不要で、安心感もありました」

 早稲田大3年の室田和彦さん(21)は、年間40万円の給付型奨学金を受け取っている。「めざせ!都の西北奨学金」で、受験前に候補者として決まり、合格したことで正式採用された。

 この制度は首都圏以外の高校出身者が対象。親の年収800万円未満などの基準があり、約1200人の採用枠がある。これまで一律年40万円だったが、2017年度入学者から半期分の授業料免除(48万~72.3万円)に広げている。

 今や奨学金は大学生のほぼ半分が利用するが、大半は返済が必要な貸与型だ。返済が滞る人も多い。日本学生支援機構の奨学金を借りた人のうち、延滞者は14年度末に約33万人いた。

 先月、元SEALDsの諏訪原健さんが1千万円以上となった奨学金の返済に苦しんでいるとネットニュースで伝わると、大きな反響を呼んだ。返済を巡る厳しさは社会問題化している。

 大学卒業までにかかる教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立で約800万円。すべて私立だと、約2200万円もかかる。保護者の教育費負担は重い一方で、奨学金を多く借りると子どもが返済に苦しむ。

 このため、政府は18年度から1学年2万人を対象に、返済の不要な給付型奨学金を始める予定だ。17年度から一部先行実施する。

 政府の動きより早く、大学も給付型の奨学金を相次いで設けている。冒頭に紹介した早大の制度のように、受験前に採否が決まるため、大学選びに生かせる。

 東北学院大は4月、来年度の入学者を対象にした奨学金の新設を発表した。初年度は約71万~92万円をもらえ、次年度以降も年30万円支給される。担当者は「奨学金制度を充実させる都市圏の大学に、学生が流出していた」という。

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