五葉松 銘 日暮し/日本を代表する最高傑作。日が暮れるまで見ていても飽きないことから銘がついた。評価額は1億を超えるとも。「吟風一様松」(臨済宗相國寺派管長・有馬賴底筆)の書とともに(撮影/倉田貴志)
五葉松 銘 日暮し/日本を代表する最高傑作。日が暮れるまで見ていても飽きないことから銘がついた。評価額は1億を超えるとも。「吟風一様松」(臨済宗相國寺派管長・有馬賴底筆)の書とともに(撮影/倉田貴志)

 日本の伝統文化である盆栽。おじいちゃんの趣味というイメージがあるが、じつは世界では、クールな存在として注目されている。そこで、初心者でもBONSAI WORLDを楽しめる鑑賞法を紹介。

【写真特集】クールジャパンな盆栽の世界

■盆栽の楽しみ方
どう見ようと自由ではあるが、一番美しく見える方向や角度、見どころは知っておこう。盆栽家の意思を感じることで、より美しく鑑賞でき、その世界の奥深さを知ることができる。

<表裏>
盆栽には表と裏がある。表は幹の立ち上がりや、枝ぶりがよく見え、その木が一番美しく魅力的な姿になるようにつくられている。表から見ると、手を広げて頭を前にやや垂らしているようになっている姿が盆栽の基本形である。

<上方から真横から>
盆栽は床の間に置き、座して見るのが正しい鑑賞の一つとされる。目線を盆の位置にし、やや見上げるようにするのが盆栽を美しく見るポイントである。そうすることで、迫りくる美を体中で受け止めることができる。

■盆栽の種類
樹種により、「松柏盆栽」と「雑木盆栽」の2種類に分かれる。この2種類が基本であるが、「葉もの盆栽」「花もの盆栽」「実もの盆栽」などに分けることもある。

<松柏盆栽>
盆栽の代表ともいえる針葉樹の松と真柏をあわせて松柏盆栽という。松柏は生命力が強く、常に緑の色が変わらぬことから、神社の境内などに植えられ神聖な樹木ともされてきた。寿命が長く、形が崩れにくいので管理しやすい利点もある。

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