都議選の獲得議席予測(週刊朝日5月26日号より)
都議選の獲得議席予測(週刊朝日5月26日号より)

「都民ファーストの会」(以下、都ファ)の“デビュー戦”となる夏の都議選(6月23日告示、7月2日投開票)で、小池百合子旋風は都議会を席巻するのか。本誌は政治ジャーナリストの角谷浩一氏と選挙プランナーの松田馨(かおる)氏の2人に依頼し、各党の獲得議席を予測した(表)。

 角谷氏は自民と都ファの議席数をともに40台前半と、ほぼ拮抗する結果を予測する。自民党の実力は底堅く、複数区(2人区~8人区)が35もある都議選では結局、都ファや公明、共産と議席を分け合うかたちとなり、自民は大崩れしないというのだ。角谷氏がこう語る。

「都ファの公認候補は5月13日現在42人にとどまっており、今後、単独過半数を狙うほど増やすのは難しい。選挙経験のない候補者も多く、どの程度戦えるかも未知数。小池氏のメディア露出も減ってきており、投票率がそれほど伸びない可能性もある。自民党にすれば今回は公明党に配慮する必要がないため、国会会期を大幅に延長して都議選中も国会を開き、“小池劇場”に“安倍劇場”をぶつけて注目度を下げるという荒業を使うこともできる」

 その結果、都ファの票はそれほど伸びず、自民党が第1党の座をかろうじて守りきるばかりか、都ファと公明を合わせても過半数ラインの64議席に届かない結果も考えられるという。

「結局、小池氏は選挙後に自民と近づかざるを得なくなり、都議会は自・公・都ファの連携という構図になっていくのでは。都ファは国政で“ゆ党”と揶揄(やゆ)されることもある維新の会のように、自民の補完勢力で終わりかねない。こうした展開が選挙前に有権者に見えてしまうと、都ファの支持者も冷めてしまいます」(角谷氏)

 小池氏は5月11日に官邸で安倍首相と会談し、500億円と試算される都外の五輪仮設施設の整備費を都が全額負担すると表明した。都外の自治体の費用負担の分担方法についてはこれまで都が主導で検討を進めてきたが、官邸主導で決着したかたちをつくられ、小池氏としては“失速”を印象づける結果となってしまった。

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