ツアーから戦線離脱し、腰の手術を受けたタイガー・ウッズ選手(45)。プロゴルファーの丸山茂樹氏はその状況をこう推測する。

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 正念場でベテランがやりました! 男子ツアーの国内2戦目となる「パナソニックオープン」(4月20~23日、千葉CC梅郷)で、45歳の久保谷(くぼや)健一が5年ぶりのツアー7勝目を飾りました。

 最終日はトップに6打差の20位で出たんですけど、7バーディー、ノーボギーの64で回って、通算11アンダーでホールアウト。これも44歳のベテラン、宮本勝昌とのプレーオフを制しました。

 ここ数年、久保谷は腰痛に苦しんでてね。2014年には手術もしたんですけど、痛みと付き合いながらのゴルフで、去年のシーズンは23試合中16試合で予選落ち。今年は12年の日本オープン優勝でもらった5年シードの最終年だから、ほんとよかったですよ。これでまた2年のシードが手に入りましたから。

 前週の国内開幕戦でもいいゴルフができてたから、いい流れで戦えましたね。久保谷自身は「人生で3本の指に入るぐらいパットがよかった」と言ってます。たしかにそうだけど、ショットが悪いながらもボチボチのところに来てたんで、そのかみ合わせがよかったんだと思いますね。まだ頑張ればこういう結果が残せる、という自信になったと思います。

 1990年代、僕がアメリカに行く前は練習ラウンドをしたり、夜に食事をしたりしながら久保谷とツアーを回ってたんです。それで03年に彼も米ツアーに参戦しましてね。向こうでも家族ぐるみの付き合いがありました。いまでもウチの息子は彼の実家に遊びに行ったりしてますよ。趣味はお酒ですね。それに最近、愛犬が加わったみたいです。ここ何年か、ツアーでは平塚哲二(45)と行動をともにしてるらしいんですけど、平塚と二人でカフェに出かけて、お酒を飲んで帰ってくるんですって。

 ほんと久保谷という男は酒が好きでね。強いわけじゃなくて、いつも結構酔うんです。ツアーで遠征に出て、食事して酔ったあと、ホテルのまわりのラーメン屋をはしごしたりね。食べたの忘れて、もう一軒ラーメン屋があったら入っちゃう。それぐらい酔ってますよ。ストレス解消になってるみたいだし、体形は維持してるようだし、まあ、いいんじゃないですか? おもしろい男ですよ。

 
 この試合では僕の日大の後輩にあたる堀川未来夢(24)が3位に入りました。まだまだ勉強しなきゃいけない部分もたくさんありますけど、何試合かに1回でもこういうゴルフをして、1歩届かない、2歩届かない差は何なのかというのを早く見つけて、初優勝してほしいですね。

 アメリカからはタイガー・ウッズが腰の手術をして、不自由なく生活できるまで半年かかる、なんてニュースが入ってきました。3回も4回も手術すると、体に相当なダメージがあるはず。当初の見通しがまずかったんじゃないかなあと思ってしまいます。恐らく相当厳しい状況なんでしょう。

 最後に、5月20日開催の「丸山茂樹ジュニアファンデーション親子ショートコースゴルフ大会inハイランドセンター」に多数のご応募ありがとうございました。抽選の上、参加していただける方の発表をしました。当日をお楽しみに!

週刊朝日  2017年5月19日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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