「キレ」「伸び」も数値で判別 東尾修「これからは『回転数』だね」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「キレ」「伸び」も数値で判別 東尾修「これからは『回転数』だね」

連載「ときどきビーンボール」

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週刊朝日#東尾修
2500回転を超えたこともあるソフトバンク・千賀=宮崎市 (c)朝日新聞社

2500回転を超えたこともあるソフトバンク・千賀=宮崎市 (c)朝日新聞社

 回転数に着目するようになると、若い選手への指導法にも変化が出ると思う。春季キャンプの初日となる2月1日のブルペン。若い投手はこぞって低めに投げる。しかし、私が思うのは、まず高めに、スピンの利いた球をとにかく投げることだと感じているし、実際に西武の監督時代にも伝えてきた。低めに球を投げるには、体や肩がしっかりできて、マウンドの傾斜を使って体全体を使えるようになってからでないと、正しく投げられない。2月上旬の春季キャンプで、低めに投げている投手は、回転数が足りていないことに気づくだろう。

 同じことは小、中、高校生にも言える。まだ体が成長段階の時期では、低めに無理やり投げることを強いるより、高めにスピンの利いた球で空振りを取らせることを指導したほうがいい。スケールの大きい投手ならば、なおさらである。数値が出ることで、選手の理解は深まる。

 プロ野球界も、機器を導入した球団でもまだ試験段階のチームが多いだろうが、数年のうちに12球団すべてが活用することになるだろう。導入が遅れると、戦術面にも大きな差が生まれる。相手投手の分析においても、曲がり幅や回転数もわかるわけだから「ウチの○○に似ている」と具体的な指示を出せる。編成面でも、クローザーの獲得を狙う際に、空振りの取れる直球を投げられるかを回転数から判断できる。データ戦略は完全に新時代に突入した。

週刊朝日  2017年5月19日号


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東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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