──撮影で右膝じん帯を損傷されたそうですね。

「あれ?」という方向に脚が曲がったんですよ。自分は「クニャッ」、監督は「ボキッ」とやりまして(三池監督は左足首を骨折)。撮影後は僕たち2人だけ、他の人たちが去ったあとの現場を同じ速度でゆっくり後にしてました。プレーヤーが試合中にケガをするなんて、監督としては「何やってんだ」という感じじゃないですか。そのあたりが自分のなかでひっかかっていたんですが、それもすべてゼロになりました。

──ドラマ「A LIFE~愛しき人~」の放送が終わったばかりで忙しい日々が続いていると思いますが、リラックスする時間は?

 ありますよ。いつでもリラックスしてます。

──忙しすぎてイヤになることは?

 一緒にやってくれているスタッフさんは、もっと忙しいですからね。とくにドラマの場合、1日2時間寝てない人もいたんじゃないかな。次の日の撮影のために、何を聞かれても大丈夫なように準備しなくちゃならないし。でも僕の経験から言うと、フィジカルもメンタルも女子のほうが強い。たとえぶっ倒れても「すみません、大丈夫ですから」と、メンタルは壊れてないんですよ。すごいです。

──そういう姿に気づいてもらえることが、スタッフの方の励みになりそうです。

 だって、本当にそういう方が現場にいてくれるので。ドラマで医療監修の方に「医師を演じる上でとても大切なことが三つある」と教えていただいたのが、「見る、聞く、感じる」ということ。それは医師だけじゃなくて、自分たちの仕事にも言えると思います。演技は相手を感じて何を返せるかだし、現場のスタッフさんや、周りとの関係もそう。もちろん、それぞれの考えがあるし、「俳優はこうあるべき」なんて思いません。でも僕はそうなってしまうし、そうありたいですね。

週刊朝日 2017年4月28日号