▼「排便回数減少型」


【1】食物繊維の摂取量や食事量が少ない(大腸通過正常型)
【2】大蠕動の回数が少ない(大腸通過遅延型)

▼「排便困難型」
【3】便が硬い(大腸通過正常型)
【4】大腸や肛門の、機能や構造が異常(便排出障害)

 原因を知ることが重要なのは、タイプによって治療が異なるからだ。たとえば「便秘には食物繊維」とよく言われるが、すべてのタイプに当てはまるわけではない。ある研究では、便秘患者147人に食物繊維を投与した場合、前出の【1】の治癒率が72%だったのに対し、【2】は治癒率0%、【4】は4%だった(【3】は調査外)。

「【2】や【3】であれば、非刺激性の下剤を毎日服用します。【1】は食物繊維摂取が大切です」(同)

【4】の原因として最も多いのは、「骨盤底筋協調運動障害」だ。排便時は、いきんで腹圧をかけると同時に、肛門を含む骨盤底筋が緩むことで、便がスムーズに出る。ところが障害のある人は、いきんだときに骨盤底筋がうまく緩まないどころか、逆に締めてしまう場合もある。なぜこのような障害が起こるか、まだ十分には解明されていない。

「便の硬さは正常か少し軟らかいのに排便困難感や残便感があり、そのため1日に何度もトイレに行くが、いきんでも排便できないことがある。こういった症状があれば骨盤底筋協調運動障害を疑い、排便造影検査をおこないます」(同)

週刊朝日 2017年4月28日号より抜粋