AERA dot.

津田大介「メディア事業者が負うべき社会的責任とは」

このエントリーをはてなブックマークに追加
(更新 )

日本最大のレシピ検索サイト「クックパッド」がやり玉に挙がった(※写真はイメージ)

日本最大のレシピ検索サイト「クックパッド」がやり玉に挙がった(※写真はイメージ)

 ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介氏。「乳児ボツリヌス症」で乳児が亡くなった事件をきっかけにわかった、ネット事業者の不十分な安全確認体制について指摘する。

*  *  *
 東京都は4月7日、蜂蜜入りジュースを与えられたことによる「乳児ボツリヌス症」で、足立区に住む生後6カ月の男児が死亡したことを発表した。

 日本初の事例ということもあり、ネットでも大きな反響を呼んだ。やり玉に挙がったのが、日本最大のレシピ検索サイト「クックパッド」だ。国や自治体が1歳未満の乳児に蜂蜜を与えてはいけないと注意を呼びかけていたにもかかわらず、クックパッド上には蜂蜜を使う離乳食レシピが約140件も掲載されていた。

 これだけでなく、飲食店での提供が禁止されている豚肉の生食を扱うレシピなども投稿されていたことから、安全確認体制を疑問視する声が相次いだ。

 こうした指摘に対しクックパッドは4月9日、サイトのトップページで声明を発表。死亡事故を受けてサイト内に投稿された料理レシピを改めて確認し、必要に応じて注意喚起をする方針を示した。

 だが、「必要に応じた注意喚起」だけで同様の事故が防げるのだろうか。健康上のリスクが指摘されるレシピが大量に投稿され、誰もが閲覧可能だったのである。問題のあるレシピが投稿された場合、すぐに排除される体制が構築されなければ、根本的な解決は見込めない。

 クックパッドは利用規約で「本サービスの利用により発生した利用者の損害については、一切の賠償責任を負いません」としている。レシピの利用はあくまで閲覧者の自己責任という態度を貫いている。投稿するのはあくまでユーザーで、情報発信を手伝う「プラットフォーム」というスタンスなのだろう。


トップにもどる 週刊朝日記事一覧


   津田大介 をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加