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映画プロデューサー・川村元気が明かした“作家”としての創作術

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映画プロデューサー、作家 川村元気(かわむら・げんき)/1979年、横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。2005年、映画「電車男」を企画・プロデュース。以後、「告白」「悪人」「モテキ」「おおかみこどもの雨と雪」「寄生獣」「バケモノの子」「バクマン。」「君の名は。」「怒り」「何者」などの映画を製作。11年に優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、小説『世界から猫が消えたなら』で作家デビュー。著書に、『億男』『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』など。最新小説『四月になれば彼女は』(文藝春秋)が発売中(撮影/写真部・小原雄輝)

映画プロデューサー、作家 川村元気(かわむら・げんき)/1979年、横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。2005年、映画「電車男」を企画・プロデュース。以後、「告白」「悪人」「モテキ」「おおかみこどもの雨と雪」「寄生獣」「バケモノの子」「バクマン。」「君の名は。」「怒り」「何者」などの映画を製作。11年に優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、小説『世界から猫が消えたなら』で作家デビュー。著書に、『億男』『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』など。最新小説『四月になれば彼女は』(文藝春秋)が発売中(撮影/写真部・小原雄輝)

 大ヒット映画「君の名は。」をはじめ、「悪人」「モテキ」「何者」など数々のヒット映画を世に送り出してきた川村元気さん。言わずと知れた東宝の名プロデューサーですが、近年は作家としても大活躍。作家の林真理子さんが創作の秘密に迫ります。

*  *  *
林:川村さんが出てきたとき、すごいなと思いましたよ。映像の世界の方が書いた小説って、セリフが多くてそれ以外の描写が粗っぽかったりもするんですが、とてもきめ細やかに描写されていて。『四月になれば彼女は』は最近めずらしい恋愛小説ですが、いま大人の恋愛小説が少ないから、自分で書いてみようと思ったんですか。

川村:「大人の恋愛小説が最近売れない」って当たり前に言われていることが、おもしろいなと思ったんです。恋愛小説のベストセラーは過去にたくさんあるんだから、だとしたらいまの人間のほうが変わったんだろうと。どう変わったのかと思って100人ぐらいに取材しました。

林:取材って、周りの人に聞いていくんですか。

川村:30~50代の女性を中心に、数珠つなぎに。それで、「恋愛している人がほとんどいない」ことに気づいたんです。若いころの恋愛については、みんな熱く語れるのに。

林:でも、たとえば旦那さんがいる人は、正直に「恋愛してる」とは言わないでしょう。

川村:そこは取材の技術ですよね。ぜんぜん関係ない話をしながら、さりげなくその話に持っていくとか。僕、人が“墓場まで持っていく話”が大好物なんです。精神科医に、「現代人が恋愛しなくなった理由」について聞きに行ったときに、「ご自身はどうなんですか?」って聞いたんです。そうしたら「妻と離婚しかけてる」と。結局われわれも精神科医みたいなもので、他人の問題は解決できるのに、自分の問題には向き合えない。それで主人公を精神科医にしたんです。基本的にはここに出てくるセリフや登場人物は、僕が実際に聞いた話がベースになっています。


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