わざわざ制服っぽい服を着て遊びに出かけたりする「なんちゃって制服」も、この“女子高生的なもの”の価値観が生んだ流行だ。

「80年代ぐらいまでの、制服は着せられるものという存在から大きく変わった時代です。現在は、制服っぽい格好は相変わらず人気ですが、絶対にこのスタイルじゃなければ、という意識は薄れています。リュックだったりスニーカーを合わせてみたり、好きな着こなしを楽しむように変化しています」

 短めソックスやクシュクシュソックスの流行は、その結果ではないかという。

 ソックスをたるませてはく流行は、90年代はじめ、ルーズソックスが流行する前の雰囲気に少し似ていると、森さんは言う。

「当時、スポーツソックスをたるませてはくのがカッコいいと、青学(青山学院高等部)のコたちが始めたのが最初です。そのころの雰囲気に近い印象はありますね」

 前出の稲垣所長は、ルーズソックスに関しては、「JKぽさ」を最大限に強調するコスプレアイテムに変化しているという。

「テーマパークに行くときなどに、コスプレ感覚ではくコはいますね。そういうときだから、あえていつも以上に『女子高生ぽく』といったノリのようです」

 クシュクシュ流行りとはいえ、まさかのルーズソックス大復活とはなりにくいのではと森さんは言う。

「ハイソックスの上から重ねばきするように着こなし、一部で『保存会』のように残ってはいるのですが(笑)」

 というのは、

「当時、ルーズソックス対策として、『白』とか『紺』といったあいまいな校則ではなく、校章のワンポイントが入ったりするような、学校指定のソックスを採用する学校が増え、ルーズソックスは一気に減少しました。学校指定のソックスをたるませることはあっても、再びルーズソックスをみんながはくという状況は起こりにくいですね」

 進学・進級の季節。ビシッとした真新しい制服に身を包みながらも、ソックスは、「クシュクシュ」してたりする女子高生も多いだろう。この流行、どこまで続くか。

週刊朝日  2017年4月28日号