大阪地検は国土交通省など国絡みの補助金、大阪府や市の補助金に関しては大阪府警がメスを入れるようだ。

「地検、府警とも着々と捜査を進めている。地検は早ければ、ゴールデンウイーク明けにも立件に乗り出すのではないのか。府警も捜査となれば、籠池前理事長だけでなく、妻、娘まで対象を広げる可能性もある。森友学園側の一連の対応などから事前に、任意で聴取しても応じないだろう。いきなりXデーとなるかもしれない」(捜査関係者)

 籠池氏は来るべきXデーに備え、刑事事件に強い敏腕弁護士を専任し、ガチンコの戦いになるとみられている。 

一方、首相夫人付職員だった谷査恵子氏(現在は経済産業省)と籠池氏とのやり取りから、森友学園が国有地を激安で取得した疑惑への関与が取りざたされた安倍昭恵氏。周囲にお灸をすえられたようだ。

「一部の週刊誌で昭恵氏が安倍首相の母、洋子さんから叱られたという内容が報じられただが、実は叱られたのは首相自身。『こんなことになって、あなたがしっかりしてないから』と厳しく言われたそうです。しかし、首相本人が叱られたという話は恰好がつかないので、昭恵氏が叱られたと側近らがすり替えて流したのではないか」(自民党幹部)

 米国のシリア爆撃、北朝鮮のミサイル問題もあって、森友学園疑惑は沈静化し、安倍夫妻は窮地を脱しつつある。

「籠池氏の100万円発言からしばらくは、放心したような感じで元気がなかった。昭恵さんはこんなに叩かれた経験がありませんでしたから……。しかし、今はすっかり元の昭恵さんですよ。講演や視察に行きたくてウズウズしているようです」(昭恵氏の知人)

(ジャーナリスト・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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