岩合光昭の今週の猫
岩合光昭の今週の猫
(c)撮影/岩合光昭
(c)撮影/岩合光昭

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、台湾・福隆の「猫(にゃん)匹家族?」です。

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 猫がたくさんいる家があると教えられ、山の間道を上がっていくと、ぽつんと立つ一軒の平家が目の前に現れた。

 扉を開けると猫たちがいっせいに衝立(ついたて)をハードル走のように越えてくるから面白いよ、と聞いたので、カメラをそっと構えて待つ。ところが肝心の猫たちはみなマイペース、出てくるも期待した勢いとは程遠く、これには苦笑い。

 とはいえ、驚くほど数多(あまた)の猫がいた。よくある猫情報の「猫がたくさん」は多くても10匹ほどなのだが、ここには30匹はいただろうか。数え切れない、という言葉を実感した一日だった。

週刊朝日  2017年4月21日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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