田原総一朗「安倍夫妻の『右翼思想』への批判が出ない自民党の劣化」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

田原総一朗「安倍夫妻の『右翼思想』への批判が出ない自民党の劣化」

連載「ギロン堂」

このエントリーをはてなブックマークに追加
田原総一朗氏は、教育勅語を非難(※写真はイメージ)

田原総一朗氏は、教育勅語を非難(※写真はイメージ)

 かつての自民党ならば、たとえば安保関連法にしてもカジノ法にしても、党内で激しい議論が展開されたはずだ。私たちが若かったころは、野党の動きになどほとんど関心がなかった。自民党主流派と反主流派・非主流派が、与野党間以上の激しい論争を展開していたのである。

 首相や自民党総裁が代わるのも、野党との戦いで代わることはほとんどなかった。反主流派・非主流派との戦いに敗れて代わらざるを得なかったのだ。

 そういう意味では自民党は、自由にものが言える民主的な政党だった。また、主流派、反主流派の意見を構築する学者や文化人も何人もいた。

 だが、選挙制度が変わって小選挙区制になり、執行部が認めないと立候補できなくなったためか、反主流派も非主流派も存在しなくなってしまった。そのために、自民党内で論戦というものがまったくなくなってしまった。自民党は、執行部と異なる意見が言えない政党になってしまったのである。

 はっきり言えば、自民党議員は安倍首相に対する批判が一切言えず、また言う気力のある議員もいなくなってしまった。

 幼稚園児に教育勅語を暗唱させ、中国人や韓国人はうそつきだ、などと教えている籠池泰典氏はレベルの低い保守というより右翼であり、そんな森友学園をすばらしいと言っている安倍首相夫妻はおおいに間違っている。それに対して批判一つ出ない自民党は保守の劣化だと言うしかないだろう。

※週刊朝日 2017年4月21日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい