帯津良一「『攻めの養生』で最期まで生きる」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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帯津良一「『攻めの養生』で最期まで生きる」

連載「貝原益軒 養生訓」

週刊朝日#健康
養生とは「生命(いのち)を正しく養う」ということ。最期まで健康に生きる秘訣を探る (※写真はイメージ)

養生とは「生命(いのち)を正しく養う」ということ。最期まで健康に生きる秘訣を探る (※写真はイメージ)

 一巻の冒頭に書かれている言葉が「人の身は父母を本とし、天地を初とす。天地父母のめぐみをうけて生れ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの、父母の残せる身なれば、つゝしんでよく養ひて、そこなひやぶらず、天年(てんねん)を長くたもつべし」です。益軒の生命観がはっきりと打ち出されています。生命とはわが父母からのいただきもの。その父母は、またその父母からと、生命の淵源(えんげん)をたどっていくと、百数十億年前の宇宙の起源、ビッグバンにまでいきつきます。生命は「私の物」ではなく、「天地のみたまもの」なのです。

 だから、わが父母と母なる天地に感謝の意をささげながら、人としての道を歩んでいくことこそ、養生であると益軒は言います。そのために長寿や無病が必要とされるのであって、それ自体が目的ではないと語ります。益軒は養生訓でたんに健康法を言うのではなく人の生きる道を説いているのです。

 養生を生きる道としてとらえたときに、私が思い浮かべるのはH・ベルクソン(1859~1941)の『創造的進化』です。ベルクソンはこの著書で「生命の躍動(エラン・ヴィタル)」が創造的進化をうながすと語っています。生命の躍動によって、内なる生命エネルギーが煮えたぎり、それが体の外にあふれだすと、私たちは歓喜に包まれるというのです。その歓喜はただの快楽ではなく、創造を伴っているというのです。生命の躍動、歓喜、創造。まさに「攻めの養生」です。益軒の養生訓と相通じるものがあります。

週刊朝日 2017年4月14日号


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帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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