「事実を歌っているからじゃないでしょうか。子供のころは何とも思わなかった森進一の『おふくろさん』や藤圭子の歌も、事実だと知ると、よく歌えるなと思う。情念が歌に宿るとよく言うけど、ヒットする曲というのはそういうことで世の中に伝わっていく。極端に言えば、この曲は、家の中に収めておけばいいような、夫婦共通の秘密を人前で歌ってさらしちゃうわけだからね。その腹のくくり方に芸人としての覚悟が見える。プライベートを売るのが芸人だと思いますが、そのプライベートを泣きのエンターテインメントにしている。すごいなと思います」(同)

「お義父さん」は5月にCD発売が決定。昨年はオリエンタルラジオによるユニットRADIO FISHやピコ太郎など芸人による曲が大流行したが、同じ流れでヒットするのだろうか。

「芸人が歌っている点は共通だけど、本質的には違う。ピコ太郎は何回でも歌えるけど、あれを毎回歌えるの?とは思います。だけど、結婚していない若い人も『泣ける』という感動承認欲求も満たしているので、ヒットの可能性はありそうです」(同)

 大ヒットして紅白出場、そして、お義父さんとの一献もかなう──。そんな展開にも期待したい。

週刊朝日 2017年4月14日号