白内障の発症を早めるリスク要因とは?(※写真はイメージ)
白内障の発症を早めるリスク要因とは?(※写真はイメージ)

 白内障は高齢者だけではなく、40~50代でも発症する。じわじわ進行するため自覚していない人も。手術で視力は改善するが、年齢とともに難度が上がる。手術はいつ受けるべきなのか、専門医に取材した。

 白内障は、60代で66~83%、70代で84~97%、そして80代以上になれば100%発症する。しかし、60代以下でも注意が必要だ。強い近眼の人は、早ければ40代から発症リスクがある。

 ほかにも白内障の発症を早めるリスク要因はあるのだろうか。金沢医科大学病院眼科科長の佐々木洋医師は、こう説明する。

「糖尿病や高血圧、脂質異常などの生活習慣病がある人は、50代から白内障が起こります。逆に言うと、若くて白内障がある人は、生活習慣病などの全身の病気があると疑ったほうがよいでしょう」

 そのほか、アトピー性皮膚炎で眼を強くこする、転んで眼を打つなどの外傷によって水晶体がダメージを受け、白内障になることもある。

 そもそも白内障とは、カメラでいうレンズの役割を果たす水晶体がにごった状態だ。

「白内障のタイプにより少しずつ症状は異なりますが、たいてい最初にピントを合わせる力が落ちてきます。そのため老眼が急に進んだように感じることが多いでしょう」(佐々木医師)

 しかし白内障は年単位でじわじわと進行するので、初めは変化に気づかない人や、見え方の変化を感じても年のせいだろうと思い込んでしまう人が少なくない。

「普通運転免許はメガネなどで矯正した状態で0.7以上の視力がないと取得できません。免許の更新に行って、初めて視力が0.7以下になっていることに気づいて眼科を受診し、白内障と診断されるというパターンが非常に多いですね」

 と、佐々木医師は話す。

 視力を改善するには手術が必要だ。しかし進行の度合いや水晶体のにごり方によっては、不便を感じないこともある。稲村眼科クリニック院長の稲村幹夫医師はこう話す。

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