小島座長の示した500億〜800億円という額は、高いのか安いのか。

「試算を出すこと自体、今さら感がある。築地市場は1991年から現地建て替え工事を行い、400億円をかけてやっぱりムリだと、96年に途中頓挫した経緯がある。業者さんは納得するとは思えませんね」(前出・自民党都連幹部)

 一方で、民進党関係者は“安い”と言う。

「かつて私たちが外部の業者に依頼した試算よりも格段に安い。ただ、根拠のない数字ではなく、昔と比べれば技術が進歩したので、トラブルが起きなければ工期がかからない。しかし、築地市場の地下まで土壌を改良するとなると、もっとかかるとは思います」

 豊洲移転に関してはこう続ける。

「地下水から検出された基準値の100倍のベンゼンは、石原(慎太郎元都知事)さんの時代の都議会の付帯決議の値を守っていない。その意味で豊洲には移れない。築地の現地建て替えは、PT以外の試算でもそんなにかからないとなれば現実味を帯びると思います」

週刊朝日  2017年4月14日号