番組では実際の動物園の飼育員らが、生態などを30秒ほど説明するコーナーも。展示状況がわかるようになっていて、現地に足を運ぶきっかけになったようだ。

「サーバルを見に来てくれる若い男性が増えた。思わぬ効果で、動物を知ってもらうきっかけになったのでは」(多摩動物公園の広報担当者)

 ライオンなど6種類が取り上げられた東武動物公園の担当者も、「入園者だけでなく、独自にネットで配信している番組の視聴者が増えた。アニメと連動した企画も検討していく」と前向きに受け止める。

 変わったところでは、岐阜県東白川村の「つちのこ館」にも恩恵があった。アニメでは未確認生物としてツチノコが登場。館長の安江豊司さん(65)は「東白川村は日本一目撃事例が多いところで、私も存在を信じている。放送によってツチノコの展示を20~30人ほど見に来てくれた」と喜ぶ。

 こうした反響に制作側も手応えを感じている。アニメプロデューサーの福原慶匡(ふくはらよしただ)さん(36)は、

「作品は完全なSFではなく、動物園の展示といったリアルを混ぜ込むことで、夢を見やすくしている。私も飼育員さんに仕事の大変さなどを直接聞いたので、動物園のお客さんが増えたのはすごくうれしい。ツチノコだって本当にいるかもしれませんしね」

 アニメ以外に漫画やゲームもあり、「メディアミックス」で展開している。テレビ放送はいったん区切りがついたが、今後はブルーレイディスク(BD)が付いた「オフィシャルガイドブック」が順次発売される。1、2話を収録した第1巻(税別3500円)は3月25日にKADOKAWAから出された。一部で品薄になる人気だという。第2巻は4月26日で、その後1カ月おきに第6巻まで発売予定だ。すごーい! たーのしーみ!!

週刊朝日  2017年4月14日号