北原みのり「いつの間にやら多数派に」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「いつの間にやら多数派に」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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政権の方々がやりたい放題に振る舞う一方、生活と尊厳を守るための丸腰の市民活動が厳しく処罰の対象になっている (※写真はイメージ)

政権の方々がやりたい放題に振る舞う一方、生活と尊厳を守るための丸腰の市民活動が厳しく処罰の対象になっている (※写真はイメージ)

 興味深かったのは、櫻井さんを始め、登場する言論人の方々が、自分たちを言論的少数派と認識し、「発信力を持たなくちゃ」という使命を感じていることだった。また、NHKのお天気キャスターだった半井小絵さんは、“NHKで働いていた時は気がつけなかった”という“大東亜共栄圏の崇高な理想”について“目覚めました”とイキイキと語っていた。

 以前『奥さまは愛国』という本を書いた時に、愛国にはまる女性たちを取材した。故中川昭一氏の写真をケータイのホーム画像に設定し、日章旗のシールをケータイにつけて、「慰安婦」は嘘つき!と笑う女性たちが口をそろえて言っていたのは、「安倍さんのおかげで、運動しやすくなった」ということと、「知らなかった真実に目覚めた」こと。番組を見ながら彼女たちの顔を思い出した。

 もう、彼女たちの声は、決して少数派などではない。安倍さんやそのお友達の力で、沖縄や韓国を嘲笑するような視線は既に権力の顔をしている。日本から沖縄を見ようとしても、深い霧がかかってしまっているかのように、そこに生きている人の顔や痛みが見えなくなっているのかもしれない。

週刊朝日 2017年4月7日号


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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