青柳:試作機を今秋、JR九州の筑肥線九大学研都市駅(福岡市西区)に設置することになりました。

向谷:僕が音楽から鉄道の世界に入ったのは、電車が大好きであるとともに鉄道を心の底からリスペクトしているからです。カシオペアというバンドを35年やっていましたが、80年代に入って二つの大きな変革を迎えた。レコードからCDへの変化と、デジタルシンセサイザーの登場です。CD‐ROMを研究しているうちに、自分の大好きな鉄道のコンテンツをいろいろと作ってみたくなった。僕の作ったコンテンツが少しでも皆さんのお役に立てるのであればうれしいし、やりがいも感じる。青柳さんが鉄道の道に入るきっかけは何でしたか。

青柳:うちは祖父も戦時中の昭和初期、今のインドネシアの鉄道を造っていたので、戦後も国鉄に勤めました。そういう環境にいたせいか、親父は医者でしたが、勤務先は鉄道病院。私の鉄道への目覚めは3歳ぐらいかな。叔父がOゲージの鉄道模型を買ってくれたことがきっかけでしたね。

向谷:それは高いですね。

青柳:Oゲージの3本レールのやつですね。真ん中で集電するタイプ。小学校のころはそれで遊んでたんです。今の鉄道ファンみたいな感じではなかったんですけど、大学を卒業するときに国鉄を受けました(笑)。

向谷:なぜですか。

青柳:実は大学院に行く予定でしたが、落ちてしまいました。留年はダメと親父に言われ、国鉄を受けたらなんとなく行く気になっちゃって。40年も鉄道やるとは思いませんでした。

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