「実写化されるなら、桐山零をやるのは神木君しかいない」。ネット上では、そんな原作ファンの声がささやかれていた。そして今月、映画「3月のライオン」が公開された。
「僕もファンだったので、お話をいただいてとてもうれしかったです。ただ、自分が読者として感じた作品の“あったかさ”を表現するのは、すごく難しく思いました」
話し方、タイミング、たたずまい……、いろんなことを試しながら、何度も撮り直したシーンもある。「どの本番が使われたか、わからなくなるほど」だという。
若くして「天才」と呼ばれてきたが、役柄を自分のものにするために地道な努力を重ねている。
「僕は日常生活にも役を取り入れるタイプです。今回も桐山のクセや話し方を、ふと思いついたときに試していました。以前、少し怖い役を演じたときに、学校の友達から『なんかピリピリしてるね』と言われたこともあります」
キャリアはもう20年以上。仕事がイヤになったことは?という質問には、「ないです」と、迷いのない笑顔で答えてくれた。
※週刊朝日 2017年4月7日号