合格を喜ぶ佐藤亮子さん(写真部・加藤夏子)
合格を喜ぶ佐藤亮子さん(写真部・加藤夏子)

 3人の息子に続き、今年、末っ子の長女も東大理III(医学部)に現役合格した「佐藤ママ」こと佐藤亮子さん。改めて、その受験サポート術に注目が集まっている。

 佐藤さんは「兄弟や妹と比較しない」が子育てのモットー。小さいことから子どもの個性を生かして勉強させるようにしてきた。その具体的な姿勢、実践的なノウハウは、佐藤さんの著書『受験は母親が9割』(朝日新聞出版)に詳しい。
 長女の受験は、3人の息子と共通部分もあれば、違う点もたくさんあったという。長女は、中学1年から東大受験に強い学習塾「鉄緑会」に通った。息子たちより2~3年通うのが早かった。

「女の子は息子と比べて体力がないから早めに準備しました」(佐藤さん)

 気になるのは、長女が今年の受験で使った参考書だ。その一部を佐藤さんに教えてもらった(表)。英語は鉄緑会の参考書を挙げている。

「娘は、とにかく鉄緑会のテキストを中心でやっていました」(同)

 物理や化学の参考書は難易度が高く、東大を目指す受験生向けと言える。国語や世界史はセンター試験対策なので、東大志願者に限らず知っておいて損はない。特に国語の『~実況中継』は、三男も「これ、面白い」と夢中で読んだ参考書だ。

 長女がセンター試験の地歴対策を始めたのは昨年の12月1日。三男が世界史で受験して資料がたくさんあったため、長女も世界史で受験することに。佐藤さんは娘のためにさらにひと工夫した。

「あまり聞いたことがないカタカナって覚えにくいですよね。だから、人名や芸術作品、遺跡などが出てきたときにはスマホで写真を調べました。記憶に残りますからね」

 参考書以外で、役に立ったのは過去問だ。長女は、古文と漢文の過去問は15年分、世界史は過去問を25年分、予備校の予想問題集を20年分解いた。おかげで長女のセンター試験の得点率は9割超。2次試験までは、東大入試の過去問25年分をひたすら解いたという。

 来年の受験に向け、参考にしてはどうだろうか。

【佐藤ママと長女のおススメの参考書】
<英語>『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』鉄緑会英語科(角川学芸出版)
<数学>『青チャート チャート式基礎からの数学』(数研出版)
<物理>『難問題の系統とその解き方 物理』服部嗣雄(ニュートンプレス)
<化学>『理系大学受験 化学の新演習』ト部吉庸(三省堂)
<国語>『センター試験 出口汪 現代文[センター国語]講義の実況中継』出口汪(語学春秋社)/『読んで見て覚える 重要古文単語315』武田博幸・靹森祥悟(桐原書店)/『漢文早覚え速答法 パワーアップ版』田中雄二(学研プラス)
<世界史>『センター試験への道 世界史』今泉博・年森寛(山川出版)/『世界史のミュージアム』(東京法令出版)

※週刊朝日オンライン限定記事