同志社大今出川キャンパス (c)朝日新聞社
同志社大今出川キャンパス (c)朝日新聞社

 いま、MARCH・関関同立で異変が起きている。各大学の歴史ある看板学部よりも、近年は新設学部が難易度で上回るケースが目立つ。なかには、偏差値が早慶に並ぶ学部も現れた。“大学の顔”の様変わりは、私大間の競争の激しさを反映している。

 有名私大の2000年度と17年度の入試難易度を比べると、今の大学事情を映す興味深い傾向が見える。

 私学の雄である早稲田大と慶應義塾大は、二つの年度で難易度が大きく変わっていない。早稲田は政治経済学部と法学部、慶應は医学部と法学部という、両大学の看板学部が上位を維持している。

 ところが、MARCH・関関同立は異なる。

 同志社大で最も歴史があるのは、1920年設置の文学部と法学部。00年度は両学部が上位を占めていた。17年度をみると、00年当時はなかったグローバル地域文化学部やグローバル・コミュニケーション学部などが上位にある。新設学部人気や大阪大の後期日程廃止の影響も相まって、同志社の17年度入試の志願者数は、全体で約5万6千人と前年比12%増だった。

 NPO「NEWVERY」理事で、『看板学部と看板倒れ学部─大学教育は玉石混交』の著書がある倉部史記さんは、その理由をこう話す。

「従来『看板学部』といえば、歴史の長さや活躍する卒業生の数などから世間に名門と認知されていた存在で、入試の難易度も高かった。00年代に入ってからは、カリキュラムや教育スタイルの独自性を打ち出した新設学部が次々に登場しており、大学の新しい顔になっています」

 もちろん、偏差値は大学の実力を見定める指標の一つに過ぎない。偏差値が上がったからといって、即座に看板学部と認知されるわけではない。だが、教育内容でも高い評価を受け、大学内で確固たる地位を築いた学部も出始めている。

「リーダーシップ教育」を掲げて06年に新設された立教大の経営学部は今、大学関係者から注目の的だ。難易度は早慶の商学部と並び、「早慶より立教の経営が第1志望」という受験生まで現れている。

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