医療系の情報番組の監修や企画での相談を受ける機会がある、医師で作家の米山公啓氏は、

「『それはやめたほうがいい』という企画は結構ある。番組側は正論だとおもしろくないから、どうしても極端な内容を紹介したがる。『ガッテン!』は私が知る限り、かつては制作に時間をかけていましたが、現在は粗っぽい作りになっていますね」

 碓井氏も「毎回、よくこれだけのネタを探すなと感心していた」と言いつつ、苦言を呈する。

「視聴者には『効くかもしれないし、効かないかもしれない』というグレーな話は受けない。その結果、どうしても言い切りや断定調の番組になりがちですが、視聴者はまさに千差万別、そのやり方が合わない人もいる。それを言い切り型で紹介するのは危険です」

 今回、番組に登場した医師は「NHKに聞いてほしい」と取材に応じず、NHKは「内容は検証しているが、公表する予定はない」(広報)という。だが、「再発防止のためには、具体的な改善策について、受信料を支払う視聴者に説明すべき。これを教訓に今後に生かすことが、視聴者のヘルスリテラシーの向上に貢献する」(中山氏)。NHKは事の重大さを認識できているのだろうか。

週刊朝日  2017年3月17日号