疑惑が浮上し急きょ会見した鴻池祥肇元防災担当相
疑惑が浮上し急きょ会見した鴻池祥肇元防災担当相

 森友学園が国有地を激安で手に入れた疑惑が急展開した。鴻池祥肇元防災担当相が理事長夫妻から陳情を受け、国の担当者を仲介した記録を共産党が国会で暴露。永田町は蜂の巣をつついた騒ぎになった。

3月1日に議員宿舎で慌てて会見した鴻池参院議員の話は、まるで吉本新喜劇。

「紙に入ったものを『これでお願いします』と言ったんや。オバハンのほうが。一瞬でコンニャク(カネの隠語)とわかった。それを取って、無礼者!と言った」

 小学校新設のための大阪府豊中市の国有地取得をめぐり、籠池泰典理事長と妻の諄子氏、鴻池事務所の3者で謀議したわけだが、本誌は籠池夫妻の陳情が記された6枚の面談記録「鴻池ペーパー」を入手。生々しい懇願が記録されていた。

<事務方の判断出来る事ではない?というニュアンスを感じたので、上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい。土地価格の評価額を低くしてもらいたい>(13年10月12日、籠池夫妻が事務所に来訪し「相談」。鴻池議員も同席)

 コテコテのやり取りから、夫妻の特異なキャラが浮かび上がる。夫妻を知る前大阪府議会議員は言う。

「鴻池さんは先手を打って籠池さんのことをボロクソ言ったんだろうけど、面談記録を見ると、コンニャクを突き返した後も近畿財務局との仲介は続けているやんか。献金ももらったんで、うしろめたかったんやろな」

 籠池理事長は一部メディアに「コンニャク」の正体を「商品券」と釈明したものの、疑惑全体については口をつぐんだままだ。2月末には学園側の会見が予定されていたが、延期となったまま実現していない。

 籠池理事長の親族が本誌の取材にこう語った。

「泰典氏、諄子氏ともにすぐキレるタイプで、気に入らないことには罵詈雑言。おカネもドンブリ勘定で、多くの人が去っていった。二人とも政治家は好きで、長男も一時は政治家の事務所で働いていたが、何年も前に勘当され疎遠になっている。小学校建設のためコネをつくりたかったのか、次男も『秘書をしたい』と国会議員の事務所を訪ねていたようです」

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