「アイボ、さよなら」と話しかけると、「またな」と言いながら手を振るアイボ (c)朝日新聞社
「アイボ、さよなら」と話しかけると、「またな」と言いながら手を振るアイボ (c)朝日新聞社

 1999年、4足歩行型エンターテインメントロボット「AIBO」が発売された。ネーミングは自律型ロボットであることから、人工知能(AI)とロボット(Robot)の組み合わせだ。最大の特徴は、オーナーからの働きかけや周囲の環境によって、生まれて間もない子犬が成長するかのようにさまざまなことを覚えることだった。

 初回受注の3千台はすぐに売り切れ。その後、顔や形の違う5世代を製造し、全世界で15万台以上を販売した。だが、幕切れはあっけなかった。2006年に生産が終了し、部品保有期間が過ぎた14年には修理窓口も閉鎖してしまった。残されたAIBOを救っているのは、ソニーのOBエンジニアが設立した株式会社A・FUN(千葉県習志野市)だ。

 AIは加速度的に進化を遂げており、人間の知能を超えるのは時間の問題。何でもAI任せにすると、いつのまにかAIに利用される時代が来るかも。(高鍬真之)

週刊朝日 2017年3月10日号