春風亭一之輔は「タチの悪いせっかち」? 妻が怒りの証言…
連載「ああ、それ私よく知ってます。」
子「見えないねー、パンダ……」
私「(イライラ)もういいだろ。だいたいモノトーンでゴロゴロしてるだけだ。次に行くよ!」
泣く長女。
私「ぬいぐるみ買ってやっから!」
家内「じゃ、こんなとこ来なくてもいーじゃない!」
ハシビロコウを観る。
子「動かないね。つまんない」
私「これがいいんだよ。『静』の趣。たまらんなぁ……」
3分経過。「ホントに動かねーな! ダメだな、こいつ売れねーなっ!!」。
必死に隙間をつきすぎて、何が面白いのか錯綜してしまっている若手芸人を見るようだ。
子「おなか減ったー」
焼きそばを人数分購入。ものの2分で食べ終わる私。「まだ食べてんの? アメリカンドッグ買ってこようかな?」。
これも人数分購入。しかし、「いらなーい」と子供たち。
家内「聞いてから買ってくればいーじゃない!?」
私「子供はアメドー(アメリカンドッグ)好きだからさー」
家内「……オメーが好きなんだろ! ったく朝から子供みたいなことばっかり言いやがって!この末っ子長男っ!!」
涙が出てきた。「もう帰ろうっ!!」と言ったら家族全員から舌打ちされた。なぜだ?
※週刊朝日 2017年3月10日号
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。この連載をまとめた最新エッセイ集『まくらが来りて笛を吹く』が、絶賛発売中
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