大ヒットした「ウインドウズ95」 (c)朝日新聞社
大ヒットした「ウインドウズ95」 (c)朝日新聞社

「週刊朝日」が生まれた1922(大正11)年から今日まで、さまざまなアイデアがかたちとなって商品が生まれ、私たちの生活に変化をもたらしてきた。カラーテレビが産声を上げた60年代から現代までのヒット商品を紹介する。

 60年9月、待ちに待ったテレビのカラー本放送が始まった。日本初のカラーテレビ受像機「21型D-21WE」を開発した東京芝浦電気は7月に販売スタート。丸形ブラウン管で真空管式の消費電力は380ワット、価格は52万円。大卒初任給が1万8千円前後だけに、多くの大衆は、繁華街や主要駅などに設置された街頭テレビに群がって視聴した。

「タッタ5秒でホンモノの味」。こんなキャッチフレーズで「森永インスタントコーヒー」が店頭に並んだのもこの年。高度成長期の日本では、簡便・手軽なインスタント食品がもてはやされ、昭和初期から食品の粉末化を研究していた森永製菓が先鞭をつけた。その翌年には森永乳業がインスタントクリーミーパウダー「クリープ」を発売。テレビCMの「クリープを入れないコーヒーなんて」が流行語になった。

 世界初の水性フェルトペン「ぺんてるサインペン」が発売されたのは63年。だが売れ行きは今ひとつ。翌年、思わぬ援軍が現れた。時のジョンソン米国大統領が書き味を気に入り24ダースも注文。毛細管現象を利用したサインペンは、無重力空間でもインク漏れせず使用できるため、NASAが有人宇宙飛行計画「ジェミニ」に公式採用。爆発的ヒットに結びついた。

 71年生まれの「カップヌードル」。「チキンラーメン」がそのルーツだが、現在80以上の国と地域で販売されるグローバルブランドに成長。45周年を迎えた昨年3月、「カップヌードル」ブランドの累計販売食数は400億食を突破した。

 70年代半ばから20世紀末まで映像文化を支えたのがVHSビデオ。世界初のビデオデッキは76年生まれの「VHSビデオデッキHR-3300」(日本ビクター)だ。ソニーはベータマックスタイプを発売したが2002年に終売。しかし、VHSもデジタル化の大波にのまれ、再生専用機がドウシシャから販売されるのみとなっている。

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