北原みのり「反権力セックス表現の呪い」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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北原みのり「反権力セックス表現の呪い」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

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この価値観、完全に過去のものって言える?(※写真はイメージ)

この価値観、完全に過去のものって言える?(※写真はイメージ)

 先日、韓国のフェミニストに、何で日本は性暴力ポルノがこんなに発展したの? 日本のフェミは何してたの? と問われ、私は答えられなかったのだ。

 フェミと言えば、レイプ・ロリコン表現反対というイメージがあるが、日本では少数派ではないだろうか。「欲望は取り締まれない」「文句言うより女性が監督になろう」と、人権の問題から論点をずらし、セックスの反権力性を保ちたがる団塊フェミは珍しくなかった。それが私には本当に謎だったのだ。それでも大島渚の映画を観て、上の世代がどれほど暴力的な空気の中をサバイブしてきたのかを理解したい。

 AV出演強要問題に、JKビジネス、繰り返される性暴力事件と、性を巡る暴力は苛烈さを増し、若い人が犠牲になり、また加害者になっている。上の世代の大島渚的呪縛が、毒のように効いてきた結果だ。「反権力」「表現の自由の証し」としてのセックスファンタジーから解放され、人権の視点で性を考える方向に、この国のフェミは舵を切るべきだ。

週刊朝日  2017年3月10日号


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北原みのり

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

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