中東情勢とか戦争のことも、新聞で読んで把握しています。中国や北朝鮮のことも興味があって、片っ端から読んでいます。

――個展には松本(長野県)で過ごした幼少期の作品や、ニューヨークで活動していた時代の網目の作品なども並びます。

 父は外で遊び、母はしかってばかり。あまりに惨めな子供時代で、絵を描くよりほかの方法がありませんでした。

 ニューヨークの住まいは窓が壊れて寒かったし、ご飯が食べられないこともあったけれど、死にものぐるいでめちゃくちゃに絵を描いて、新しいアイデアを出し、トップスターになれました。そうしたすさまじい時代を通して、つきることのない芸術への思いを得ました。

――今後への思いをお聞かせください。

 命の限り活躍して、誰もやっていない新しい世界を開拓したい。死んでしまった後も、若い人々が感動してくれる、そういう絵を作りたいと思っている。みなさんに悩みがあるときに、私の生きてきた道を見つけていただければ、うれしい。

週刊朝日 2017年3月3日号