今年95歳の瀬戸内寂聴が元気なのは◯◯のおかげ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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今年95歳の瀬戸内寂聴が元気なのは◯◯のおかげ

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大市の「○鍋」/創業は元禄年間。約330年もの間、すっぽん一筋で営業を続ける。作家から愛され、志賀直哉『暗夜行路』、川端康成『古都』、開高健『新しい天体』などに登場する名店。浜名湖産のすっぽんを、酒、醤油入りの鍋に入れ、コークスにより2000度近い高温で一気に炊き込む。2万4000円(税・サ込み)コースの一品 (撮影/写真部・松永卓也)

大市の「○鍋」/創業は元禄年間。約330年もの間、すっぽん一筋で営業を続ける。作家から愛され、志賀直哉『暗夜行路』、川端康成『古都』、開高健『新しい天体』などに登場する名店。浜名湖産のすっぽんを、酒、醤油入りの鍋に入れ、コークスにより2000度近い高温で一気に炊き込む。2万4000円(税・サ込み)コースの一品 (撮影/写真部・松永卓也)

瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)/小説家・尼僧。1922年、徳島県生まれ。56年、「痛い靴」でデビュー。63年、『夏の終り』で女流文学賞を受賞する。73年に出家。京都嵯峨野の庵に居し、執筆と法話活動に励む。2006年、文化勲章受章。近著に『わたしの好きな仏さまめぐり』 (撮影/東川哲也・写真部)

瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)/小説家・尼僧。1922年、徳島県生まれ。56年、「痛い靴」でデビュー。63年、『夏の終り』で女流文学賞を受賞する。73年に出家。京都嵯峨野の庵に居し、執筆と法話活動に励む。2006年、文化勲章受章。近著に『わたしの好きな仏さまめぐり』 (撮影/東川哲也・写真部)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は小説家・尼僧の瀬戸内寂聴さんの大市(だいいち)「◯鍋」だ。

*  *  *
 このお店は、作家の里見とん先生に連れていってもらったんです。先生はこの鍋を食べるためわざわざ鎌倉から京都にいらっしゃるというほど、お好きでした。あれはまだ出家する前のこと。出家して44年だから、50年近く通っていることになります。祇園のお茶屋の女将さんたちもよく行っているので、『京まんだら』に登場させました。

 鍋には野菜などは入っていなくて、すっぽんだけ。それをお酒で煮込んでいるんです。面白かったのは、革命家の荒畑寒村先生をご招待したとき。寒村先生は「おいしい、おいしい」と喜んでくださったけど、雑炊の前に急にひっくり返っちゃったんです。下戸の方で、鍋のお酒に酔ったそうなの(笑)。

 私、うっかりこの店の電車の吊り広告に出ることになったんです。担当編集者にそう話したら、その人のお母さんに「尼さんがすっぽんの広告になんて!」と怒られて、中止になってしまいました(笑)。でも今も元気でいられるのは、すっぽんのおかげもあると思うのよ。

「大市」京都市上京区下長者町通千本西入ル六番町/営業時間:12:00~13:00最終入店、17:00~19:30最終入店/定休日:火

週刊朝日 2017年3月3日号


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