押収物を運び出す京都府警の捜査員ら (c)朝日新聞社
押収物を運び出す京都府警の捜査員ら (c)朝日新聞社

2月14日、京都府警は京都府立医科大学と同付属病院を虚偽公文書作成・同行使の疑いで家宅捜索した。この日、恐喝容疑で実刑判決が確定している、6代目山口組の直系組長、高山義友希(よしゆき)受刑者を大阪高検が収監した。

 高山受刑者は実刑判決確定後、病院の診断書などで、服役には耐えられないとして、1年半以上にわたり収監されていなかった。それが虚偽の診断による「服役逃れ」ではないかという容疑が持ち上がっている。

 高山受刑者は2014年7月、同医科大病院で腎臓の移植手術を受けた。術後の症状が重いとして、検察が刑を執行停止していた。

 高山受刑者は、かねてから腎臓疾患のため、京都市の武田病院で人工透析を受けていた。だが、疾患が重篤となり、より高度な治療を希望したことで、同年2月から医科大病院を受診するようになったという。

「高山受刑者がヤクザの親分というのはすぐにわかった。『ヤクザの移植手術は無理だろう』と言われ、おまけに腎臓を提供する高山受刑者の親族にも疾患があり、倫理委員会は通らない、との話だった。それが一転して移植手術と聞き、びっくりした」

 と医科大病院のある医師は話す。

 その時、病院でウワサになったのが、医科大の吉川敏一学長と高山受刑者との関係だ。

 同年1月、高山受刑者は、親しい京都府警OBから吉川学長を紹介される。京都の繁華街・先斗(ぽんと)町などで、公立医科大のトップと指定暴力団組長の会食風景が目撃されていたという。

 医科大病院の吉村了勇(のりお)院長が高山受刑者を診察し、移植手術の執刀も手掛けた。

「手術の時、専門でもない吉川学長が、病院に1枚しか置いていない白衣を着て立ち会った。こんなことは異例も異例。そこに会食の話が流れ、『現金でも動いたんじゃないか』と、ささやかれるようになった」(前出・医科大病院の医師)

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