津田大介「フェイクニュース対策試される仏大統領選」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

津田大介「フェイクニュース対策試される仏大統領選」

連載「ウェブの見方 紙の味方」

このエントリーをはてなブックマークに追加
間近に迫ったフランス大統領選が風雲急を告げている(※写真はイメージ)

間近に迫ったフランス大統領選が風雲急を告げている(※写真はイメージ)

 増大するフェイクニュースの負の影響力を中和すべく、IT企業やマスメディア側から対抗する動きも出てきた。その一つがフランス大統領選に関連したフェイクニュースや、その「元ネタ」になりそうな真偽の不確かな写真・動画、コメントなどを発見し、報道機関による情報の検証結果をウェブ上で公表する「CrossCheck」だ。

 まず、モニタリングツールを使ってネット上で流れている選挙関連の情報を初期段階で発見し、その情報をルモンド紙が2月に開始したデマ情報のデータベース「デコデックス」などと照合した上で、パリ国立ジャーナリスト養成所やパリ政治学院でジャーナリズムを専攻する学生たちの手で整理する。整理された情報はAFP通信、ルモンド、バズフィード、フランス・テレビジョンといったフランス内外の17の報道機関によって、真偽が確認され、CrossCheckのウェブサイトで公開される。検証済みの情報は参加する報道機関がそれぞれに記事や番組で活用していくとのこと。「パナマ文書」のように世界中の報道機関が自由に使えるデータベースを「ネット上に流れる情報の真贋(しんがん)」というテーマに絞って誰もが見られる形で提供するということだ。

 米大統領選でフェイクニュースを大量拡散させたとして批判の的となったフェイスブック社もこの動きに追随。既に米国やドイツで提供しているフェイクニュース対策をフランスでも実施することを発表した。

 もはや国際政治というトピックは、フェイクニュースの影響力抜きには語れない。あらゆる政権、マスメディア、IT企業が取り組むべき喫緊の課題がこの対策になっている。近い将来この波が日本にも押し寄せてくることは確実だ。

週刊朝日 2017月3月3日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

津田大介

津田大介(つだ・だいすけ)/1973年生まれ。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ウェブ上の政治メディア「ポリタス」編集長。ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られる。主な著書に『情報戦争を生き抜く』(朝日新書)

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい