小野:神谷さんって、役者としてのアイデンティティーが僕と真逆にいるような方だと思うんです。

福井:どんなところが?

小野:僕らヤマトのクルーは、疑問を抱き翻弄されながらも、流れに乗っていく。だけどキーマンの神谷さんは、「どんな役なんですか?」「立ち位置は?」「今のガミラスと地球との状況はどうなっていますか?」「その橋渡し役として、どっち側につけばいいですか?」。あらゆることを福井さんに聞かれていましたね。

福井:うんうん。すごく聞かれました。何もわからない状況の中で演じてもらったほうがいい古代と対照的に、キーマンは、作品を見るお客さんもヤマトの乗組員も知らないことも全部わかったうえで腹芸をしてみせるという役なんで、聞いてもらえてとてもありがたかったです。助かりました。

小野:だから今の状況は、僕よりも神谷さんのほうがはるかによく知ってると思います。

福井:(笑)

小野:神谷さん、ヤマトに関われるのは本当に嬉しいし、誇りだと言っていました。全力でのぞみたいと。

福井:それは楽しみです。

週刊朝日  2017年2月24日号より抜粋