妻:私の実家は専業農家で、両親は仲がいいんですよ。で、父が言ったんです。「だって明美、仲が悪かったら仕事にならないよ」って。ただ農家と違って、ケンカしたら、声が表に出ちゃうからね。

夫:そういう時はため込まない。お腹に入れずにすぐに吐き出す。これが夫婦円満の秘訣かと。だから、お互い意見を言いますよ。

――出会って、当たり前のように一緒に暮らし始め、十数年。今は、お互いをどう思っているのだろうか?

妻:両方ともプレーヤータイプだったら、こういう仕事はできないですよね。木脇を見てると、私が言うのもなんだけど子分肌(笑)。私はどちらかといえば親分なんです。家の中に親分が2人いると、ボス猿が2匹いるみたいじゃないですか。

夫:ボス猿(笑)。

妻:周りの友達にも、「お宅のご主人、偉いですよね。縁の下の力持ちですよね」って言われると、「いえ、僕は地中から支えてます」って言う。

夫:縁の下のさらに下ですね。ファイナンシャル・プランナーの仕事といい、実業の裏方が得意なんです。

妻:独身だったころは、誰かと一緒に生活するとか無理だと思ってたんですよ。

夫:結局、一緒にいられるってことは、相当波長が合うんだね。

妻:うちの母なんかも、私の性格をわかっているので、木脇さんが合わせてくれるんでしょって言う。

夫:全然。自然体で普通にしています。子分肌なんで、大丈夫。

妻:家族は、私が子供のころから気が強いのを知っているので。

夫:むしろ、私としては支えがいがあるんですよね。新しい仕事に、どんどん挑戦していくところとか。ずっと支えるにしても、どんどん伸びていく人、いい仕事をして、生き生きしている人は支えがいがあります。

――発展途上国の女の子たちを支援するNGOの活動が夫婦のライフワーク。ずっと二人で走り続ける。

妻:スポーツに限らず、新しいことに挑戦しながら、仕事を通して自分を高めていきたい。ちょっと目標が高い仕事をいただくと準備して勉強するでしょう? そういう時間が大好きなんです。彼は、私のそういう気持ちに伴走してくれるんです。

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