長谷川豊氏(右)の反省は果たして有権者に届くか (c)朝日新聞社
長谷川豊氏(右)の反省は果たして有権者に届くか (c)朝日新聞社

 元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏(41)が、日本維新の会の公認候補として次期衆院選に千葉1区から出馬する。

 長谷川氏といえば、昨年9月、ブログで人工透析患者を批判し、炎上。レギュラー番組を降板し、収入はゼロになった。世間には「生活費のための出馬」との批判的な見方もある。長谷川氏を直撃した。

「貯金を切り崩していますが、生活費のために政治家を目指すというのは違います。昨年7月の参院選に大阪選挙区から出馬すると家族にも話していましたから」

 政界進出への関心があれば、過激な発言こそ控えるべきだったのでは。

「やりすぎたと反省しています。閲覧数を稼ぎたいがために、周囲に乗せられるままに書いてしまった。現在、透析患者さんの元を謝罪して回っています。まずは100人の目標を立てていますが、ようやく半数を超えたところです」

 再起を期しての政治家転向に、思わぬ“論客”が飛び込んできた。衆院議員の上西小百合氏(33)だ。古巣である日本維新の会との結びつきに理解ができないと、ご立腹の様子。

「“土人”発言擁護について謝罪をしない松井(一郎)さんとトンデモ発言の長谷川さんが組むなんて、維新は何を考えているのか」

 上西氏は続ける。

「騒動から半年もしないうちに出馬表明なんて。悪名は無名に勝ると言いますが、悪は悪。報道の世界で批評する立場だったのに、自身のこととなると『悪くない』と弁解している」

 対して、千葉1区で5期連続当選を果たす民進党の田嶋要氏(55)は、

「一度もお会いしたことがありませんし、選挙を戦う当事者同士ですから、論評しないほうがいいでしょう」

 と言及を避けた。

 長谷川氏に勝算と覚悟はあるのか。本人に聞くと、

「そんなに甘くはない。1~2回は落選すると思っている。ただ、政治の世界に嫌われ役がいてもいい」

 上西氏については、

「悪い印象はないです。誤解されやすい人。いろんな発言も精いっぱい頑張っているんだと思います」

 と、ポジショントークだと指摘。その上西氏も応戦する。

「対談でも何でも受けて立ちます。絶対に勝てます」

 炎上を“得意”とする2人の舌戦も見ものだ。

※週刊朝日2017年2月24日号