野田コミュニティハウス(東京理科大)の和風庭園
野田コミュニティハウス(東京理科大)の和風庭園
オックスフォードハウス(日本経済大)の露天風呂
オックスフォードハウス(日本経済大)の露天風呂

 大学受験を終えると、親元を離れて暮らすことになる学生も多いだろう。そんな人たちの味方が学生寮。大浴場やトレーニング室など豪華な設備があったり、外国人学生と一緒に暮らして留学気分を味わったり。お得で快適な最近の学生寮事情を紹介する。

 千葉県野田市にある東京理科大野田キャンパス。東京ドーム10個分近い緑豊かな敷地の一角に、学生寮「野田国際コミュニティハウス」がある。薬学部や理工学部の学生が学ぶ場だけに、リケジョ(理系女子)の入居を意識し、2014年に開設された寮だ。

 オートロックや防犯カメラを備え、和風の豪華な大浴場もある。入居する学生も送り出す親も安心できる充実した設備が売りで、学生が研究に打ち込めるようにしている。

 最近の寮の特徴の一つが、こうした女子学生への積極的な対応だ。

 昨年、東大が女子学生に限って月3万円の家賃補助を17年度から始めると発表して話題になった。「不平等」との批判もあったが、多様な学生を確保するための一手と言える。

 ビリヤード、屋外プール、ラウンジ、露天風呂つき天然温泉……。

 学生寮とは思えない、まるでホテルのような設備の女子寮もある。福岡県太宰府市にある日本経済大福岡キャンパスそばの「オックスフォードハウス」(同筑紫野市)。

 寮費は、食費や光熱費込みで月2万3千円。同大によると、奨学金も意識した格安の価格設定にすることで、学生を呼び込みたいという。

 國學院大は16年春、横浜市青葉区に女子寮「学寮 常磐木」を設けた。

 同大の渋谷キャンパスまで約50分、たまプラーザキャンパスまで約18分の便利な立地。1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)以外の自宅外通学生向けの施設だ。女性職員「学寮メンター」がいて、寮生活を支えてくれる。同大は「女子学生に対するブランド力の向上を意識した」と女子寮新設のねらいを説明する。

 女子学生とともに多くの大学で増えたのが、各国からの留学生。その影響は、学生の寮事情にも表れている。

 学生寮運営大手、共立メンテナンスの秋元伸介営業部長は「最近は留学生と触れ合える施設が人気ですね」と話す。

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