ミッツ・マングローブ「ノンケ男社会を黙らせた最強男りゅうちぇる」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ミッツ・マングローブ「ノンケ男社会を黙らせた最強男りゅうちぇる」

連載「アイドルを性せ!」

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ノンケ男社会を黙らせた最強男りゅうちぇる。(※写真はイメージ)

ノンケ男社会を黙らせた最強男りゅうちぇる。(※写真はイメージ)

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「りゅうちぇる」を取り上げる。

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 結局のところ『女』もしくは『女になりたい人』と括られてしまうのが、テレビにおける『オネエ』の現状です。『性の多様化』なんて便利な言葉で、理解と共存が成されているかのように見えますが、特に男性同性愛者には、「男が好きなのだから、心は女」「女性として括っておけば蔑視にはならない」という、極めてノンケ的な誤解が、紳士的に浸透してしまっている昨今。女装して人前に出る私のように、『見世物』としての融通やキャッチーさのために、『女扱い』や『女目線』を大いに活用する者もいますが、性の多様化とは、ノンケの概念のもと『男女』を振り分けるのでも、ましてや『第三の性』などと別途に排除するものでもなく、例えば『男を好きな男(オス)』『女装したい男(オス)』『女装するけど女が好きな男(オス)』『女(メス)の心を持った男(オス)』『かつては男(オス)だった女(メス)』というように、男女(オスメス)それぞれの『幅』や『類例』の共存なのではないでしょうか。

 話は戻ってテレビの中の『オネエ』。個人的には『(セクシャリティを問わず)オスらしからぬ芸風の男性もしくは元男性タレント』を総ずるテレビ用語だと捉えています。しかし、この『オスらしからぬ』を定義しているのはノンケ社会であるため、どうしても『非オス=男好き』→『男性同性愛者=オネエ』という乱暴な解釈が生じます。仮に人気俳優や有名男性アスリートが、今の日本の世の中で同性愛をカミングアウトしたとしましょう。メディアでは『〇〇オネエ告白!』となり、『女言葉で話す』『化粧をする』『女性として扱われたい』といった文脈を押し付けられるのが関の山です。要するに『性の対象が女ではない男(オス)を男として扱うわけにはいかない』のがノンケ男たちの揺るぎない価値観であり、そんなノンケ男たちによって女性も含めたノンケ社会は成り立っています。


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