「就寝2時間前からは、なるべくテレビやパソコン、スマホも控えたほうがいい。市販のブルーライトカット眼鏡を活用するのも手です。体内時計をコントロールするためにも、日中は意識的に太陽光を浴びてください」

 アンチエイジングの概念は、女性だけのものではない。男性医学(メンズヘルス)を専門とする順天堂大学大学院医学研究科教授の堀江重郎さん(泌尿器外科学)は、男性のアンチエイジングにおいて最も重要なのは、「社会との関わり」だと言う。

「キーワードは、社会との関わりを司るホルモン物質、テストステロン。年齢とともに減少していく一方、この値が高い人ほど長生きするというデータもあります。食事にしても、何を食べるかより誰と食べるか。男性にとっては集団が大事で、家族や友人など、自分を認めてくれるコミュニティーが必要。リタイア前からつながりをつくっておくことが大事です」

 最後に運動。健康のためには適度に体を動かすことが欠かせないが、ただ漫然と動くだけでは意味がないと、坪田さんは言う。

「1日に6時間以上座っている人は、3時間以内の人よりも早死にしやすいというデータがあるほど、運動と寿命はリンクしている。大切なのは、細胞内でエネルギーを発生するミトコンドリアの機能を上げるために、心拍数を上げる運動をすることです。1日4分間でいいので、スクワットを続けてみてください。ウォーキングにしても、ただ歩くよりは速歩きをまぜるなどの工夫が必要です」

「年をとれば、男性も家事をやろう!と呼びかけたい」と言うのは、堀江さん。

「掃除や洗濯などでこまめに動くと良い運動になる。健康のために、まずは家事から始めましょう」

 美しく年を重ねるには、日々のちょっとした心がけが大切。少しずつ、30の秘訣を日常に取り入れてみてはどうだろう。

次のページ