フジマキ氏「米経済一人勝ちの状況でのドル安は無理」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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フジマキ氏「米経済一人勝ちの状況でのドル安は無理」

連載「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」

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米デトロイトで開かれた自動車ショー。トランプ政権誕生で、米国製造業にどんな影響がでるか (c)朝日新聞社

米デトロイトで開かれた自動車ショー。トランプ政権誕生で、米国製造業にどんな影響がでるか (c)朝日新聞社

 影響力が及ぶのは、資本規制や介入によって人為的に国力以下に抑えている中国元の元高への修正だろう。そして、ファンダメンタルズ以上の大幅な円高の、円安への修正も。円安誘導はできても円高誘導は無理だろう。

 金融市場で30年間大きな勝負を続けたわが経験からすると、ドル円相場に最も大きな影響を与える要因は「日米金利差」と「経常収支の多寡」だと思う。

「受取利息の累計より、満期時の為替損失のほうが大きい」と思わない限り、人は金利の高いドル債に投資する。ドル高要因になる。日米の金利差は今後さらに広がるだろうから、そのモチベーションは強くなろう。

 経済学の教えでは、経常収支が悪化すると、通貨安か長期金利上昇、またはその両方が導かれる。昨年2月に1バレル=27ドルだったWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート:原油先物)の価格は53.72ドルで年を越えた。原油価格上昇は日本の経常収支悪化の大きな要因だ。

 私は1985年からマーケットに身を置いてきたが、経常収支動向と日米金利差が同じ方向を向く(円安ドル高)のは、三十数年間で初めてではなかろうかと思う。

 一時的な動きはともかく、強烈な円安ドル高が今後進むと考えている。

週刊朝日  2017年2月3日号


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藤巻健史

藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)、新著「日銀破綻」(幻冬舎)も発売中

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