――大学3年の秋に交際がスタート。翌11年の1月には結婚を決めていたという。

妻:若気の至り……かな? でも迷いはなかったです。それに彼のお父さんはニュージーランド人、お母さんはフィジー人。国際結婚の大変さを知っているから、私のことも優しく迎えてくれて理解がありました。でも初めて実家に行くときにニュージーランド地震があったんだよね。

夫:地震の3日後に飛行機で現地に飛んだんです。幸い両親は無事でした。

妻:で、クライストチャーチにいたら、今度は日本で東日本大震災があって……。

夫:あの年はいろんなことがあった。

――卒業後に東芝のラグビーチームに加入した夫は、同年のW杯に日本代表として参加。13年にはニュージーランドの強豪チームに行くことが決まる。

妻:私も一緒にニュージーランドに行きました。でもマイケルはその年、ケガだらけで、一度も試合に出場できなかった。

夫:3回骨折してしまったから。

妻:さらにその年に私の妊娠がわかって。彼の看病をしているうちに、いつの間にか臨月になったくらい、怒濤の生活でした。

――長くスポーツに関わってきた妻にも、トップアスリートとの暮らしは意外なことが多かった。

妻:彼は本当にストイックです。その日にやることを決めて、それをやり終えるまで帰ってこないんです。

夫:朝ごはんを食べて、ストレッチやって、練習メニューをこなして、お風呂に入って、ストレッチやって、マッサージをして──ようやく家に帰れる。

妻:私は目標を立てても8割達成したら満足しちゃうタイプ。やっぱりトップアスリートは違うなと感じました。でもラグビー以外のことに関してはダメです。予定も全然立てられない。

夫:彼女と暮らしてみたら、料理もうまいし、書類仕事も得意。僕と違って人と話すのも得意なんだけど、片付けだけはね……。

妻:そう、私は片付けができないんです。掃除機をかけるのは好きだけれど。

夫:整理整頓が苦手。僕のほうがきっちりしている。

妻:それで何度もケンカしたよね。でもマイケルだって畳の上にぬれたタオルを置いたりするんですよ。

夫:拾って洗濯機に入れてくれればいいじゃん。

妻:自分で洗濯機に入れればいいじゃん!(笑)

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