北原みのり「『平和の碑』と『少女像』」

連載「ニッポン スッポンポンNEO」

 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏は韓国のデモ、少女像問題について言及する。

*  *  *
 大晦日はソウルで過ごした。今、ソウルでは、毎週土曜の夜に光化門前に市民が集まり、朴槿恵政権への抗議の声をあげている。土曜日が大晦日と重なったこの日も、幅34メートル×長さ557メートルの巨大広場、さらに12車線の道路全て塞いでもなお人の波が路地に溢れるほどの熱気に満ちていた。巨大ステージが組まれた会場では、スピーチとライブが交互に行われ、有名な歌手のステージなど街が揺れるほど大きな歓声で盛り上がっていた。なにこれ、デモなの? フェスなの? しかもマイナス4度なのに何でこんなにみんな熱いの!?

 韓国のデモは、なぜなんだろう、私が知っているデモとまるで違う。例えばソウルの日本大使館前には、毎週水曜日になると日本軍「慰安婦」被害者や支援者が集まる。中学生から老人まで数百人規模で集まる場でくり広げられるのは、歌や踊り、芝居、そして丁寧な語りだ。1992年からずっと、決まった時間に彼女たちは立ち続けてきた。以来欠かさなかった集会を初めて休んだのは、阪神・淡路大震災の時だった。大使館前での抗議を「反日」と言う人は多いが、東日本大震災の時は追悼集会を開き、熊本地震の時は、日本軍「慰安婦」被害者である金福童さんが募金を呼びかけていた。時には「独島は韓国固有の領土」と勇ましいプラカードを持つオジサンがうろついているけれど、こういう人は、人権と平和を訴える女たちの場で完全にアウェイだ。

続きを読む

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック