まあ、そうは言っていても何かあるとまた、「ああ、ヤダなぁ」と思ったりするんですが。人間だもの。相田みつをさんじゃないけど(笑)。

──今の自分は、駆け出しの頃に思い描いていた自分に近づいている?

 東京で働くっていうのは、夢でしたからね。初めて原宿に行ったときの感動は今でも忘れられないし、撮影のためにこういう都内のスタジオに来ると、大げさじゃなくていまだに「おおっ」と思うんです。僕は埼玉の春日部の出身ですが、春日部にはこういうところ、ありませんから(笑)。

 デビューしたての頃に自分で思い描いていたよりも、今の自分はうまくいっているんじゃないかな。もちろん、全てが思うほどうまくはいかないみたいだ♪と、「夜空ノムコウ」の歌詞が一瞬よぎりますが、それが人生。いろいろありつつ、いま僕はここにいる。

 ちょうど仕事もプライベートも、楽しい時期なのかもしれない。20代、30代を経て、40代に入って、人生の楽しみのレベルが上がってるなと感じます。

──17年は、いろんな意味で草なぎさんにとって新たなスタートになりそうです。

 まずはドラマですね。ドラマって節目のタイミングにあって、一生懸命やっているうちに自分のなかで何かしら答えが見えてきたりする。だから撮影してるうちに、何か見つかるかもしれない。

 16年はいろいろあって、ファンの方にも心配をかけてしまい、申し訳なかったなと思っています。でも前向きに、ポジティブに、目の前の仕事に集中していきたい。そうすることで応援してくれる方々に、少しでも恩返しができればと思っています。

週刊朝日  2017年1月27日号より抜粋